SUPER GT 2020 最終戦を振り返る

年内最後の更新です。

今回は、SUPER GT 2020シーズンの最終戦、Rd.8を振り返ります。

衝撃的な幕切れであったことは、皆さんご存知の通りでしょう。

いや、本当に衝撃的ですよねw

何と言ったら良いのか、それを探りながら書けたらと思います。

 

 

 

 

 

 

オープニングラップでプライドを見せつけるニスモ

いきなり見所を作ったのは、23号車モチュールオーテック

6番手からスタートし、1コーナーで早速順位を上げると、何とダンロップコーナーまでに1位へ浮上します。

正に異次元のペースで「もしかしたら…?」と期待させてくれましたが、その後はペースが上がり切らず後退。

結果は残念でしたが、レースを序盤から盛り上げてくれたという事実だけで十分だと思います。

シーズン序盤の状況から比べると、正直想像は出来なかったですから。

ただ、もし2戦目で23号車ニスモのエンジンが壊れていなければ、最終戦でもう少し有利に展開を運べたかもしれないと思うと、ちょっと悔しいところではあります。

 

GT-R勢のトップは、6位に入った3号車クラフトスポーツモチュール。23号車と同じミシュランタイヤです。

実はシーズン通して安定したパフォーマンスを発揮していたチームではないかと、個人的には思っています。

トラブルで最下位に沈むレースもありましたが、GT-R勢のベストリザルトを4戦で獲得しています。

もしかしたら23号車に次ぐ名コンビの誕生かもしれません。

 

次いで7位に12号車カルソニックインパル。

今シーズンも不幸が多かった12号車。ここのコンビも決して悪くないと思いますが、今シーズンの結果だけを見ると、来シーズンへの不安の声が多いのも事実。

ただ、個人的には来年も継続希望です。

 

残念ながら厳しいシーズンでした。24号車リアライズコーポレーションADVAN

多くは語りません。来シーズンの復権に期待したいですね。

 

 

 

 

 

富士のパフォーマンスは申し分なかったGRスープラ

オープニングラップで23号車の先行を許したGRスープラ勢。しかしその後、タイヤに熱が入ってペースが上がり、37号車キーパートムスは首位への返り咲きを成功させました。

ポイントランキングが大混戦となった今シーズン。デビューイヤーで気合入りまくりで、開幕戦で圧倒的な戦闘力を見せつけたスープラ勢は、多くのチームが最終戦で十分な可能性を残していました。

 

当然、どこのチームも勝ちに行きます。中盤のどんでん返し枠は14号車ワコーズ 4CR。何とタイヤ無交換作戦を敢行し、一躍トップへ。

しかし、ペースは長く持たず、37号車の先行を許すと以降は防戦一方。力を振り絞って後述の100号車を防衛しますが、その更に後ろから迫った36号車と第1コーナーで事実上の同士討ち。

その間に、1位の37号車は遥か前方に。終盤に2位との差を詰められますが、最早チャンピオンを取るには盤石の体制でした。

…盤石の体制だった筈でした。

 

今シーズン気になったのは、38号車ZENTセルモの不調ですね。

何と言うか、全体的にマシンの調子が悪かったような気がしますよね。

得意な富士で勝てませんでしたし、活躍を見せてくれそうだったRd.3はミッショントラブル。

今、GT500クラス最年長のドライバーが乗っていたと思いますが、体力の限界というよりは、マシンの問題かと思っています。

もっとも、今年から14号車との2台体制になりましたから、そこで何か問題が生じているのかもしれないですが、これは来年どうなるか注目です。

これでドライバー変更は正直考えたくないですね。

 

 

 

 

 

新車ジンクスはNSX-GTにあり

今シーズン予選の速さに光るものがあった64号車モデューロ。

Rd.8の予選もNSX勢最上位の5位。ただ決勝でどうしてもペースが持たない。

GT500全体で見ても唯一のダンロップタイヤで、やはり開発が難しいのかなと思いますが、純粋な速さだけを見ると実はNSXに合っているのかもしれないと感じています。

しかし、来シーズンは流石に使用するチームは増えないかな?

日産はミシュランで、ホンダはダンロップ。良いと思いますけどね。

 

今回の個人的本命は、実質ランキングリーダーだった17号車KEIHINでしたが、予選で下位に沈んでしまい。決勝ベストラップは悪くなかったものの、4位までが精一杯でした。

 

そして今回のMVP、100号車レイブリックです。

7番手スタートから意地の追い上げを見せ、先程も書いた通りスープラ勢の同士討ちに乗じて2番手浮上。トップの37号車を猛追。ファイナルラップに2秒まで縮めますが、この差での逆転は、何かアクシデントが起こらない限りはかなり厳しい。

ところが起こってしまいました。37号車が最終コーナーでガス欠症状発生。加速が出来なくなります。そしてその横を颯爽と駆け抜ける100号車。

チャンピオンは100号車の手に渡りました。

今シーズンは駆動方式をMRからFRに変更したNSX。事実上新型車両です。

GT500は新型投入初年度の車両がチャンピオンを取るというジンクスがありますが、今年はNSXが達成しました。

 

 

 

 

 

GT300はGRスープラがレースをリード、リアライズGT-Rが盤石の体制を築く

終戦は全車ノーハンデでレースを行うSUPER GT。ある意味でシーズンの答え合わせ的な役割も持ちます。

思えば開幕戦富士でタイヤ無交換作戦を決め、圧倒的な大差で勝利した52号車埼玉トヨペットGB GRスープラ GT。同条件の最終戦でもその戦闘力は変わらず。今回も勝利を収めました。

チャンピオン争いは、点差から56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rと、65号車LEON PYRAMID AMGの一騎打ち状態でした。

内容としては、この他の車両も含め終始暫定チャンピオンが入れ替わる展開でしたが、常に安定したペースで走り続けた56号車に軍配が上がり、終盤は正に盤石とも言うべき体制を築き上げました。

 

 

 

 

 

 

いかがでしたか?

本ブログ過去の記事の答え合わせをすると、GT300はほぼ予想通り56号車チャンピオン。ただ52号車優勝までは予想できていないというところでした。

GT500は結局37号車を本命にしていたんですね。2人共欠場していない(恐らく同ポイントの意)チームがチャンピオンを取るジンクスは予想していましたが、残念ながら外れ。ホンダ勢最有力も17号車でこれも外れ。

ただGT-Rがレースをかき乱すという予想は、オープニングラップの件を考えると当たりでしたかね。

現在シーズンオフですが、それは同時に来シーズンの予想も楽しくなってくる時期でもあります。

来シーズンの予想を個人的にでもしてみると、楽しいかもしれませんね。

 

そろそろ締めとします。

皆さん良いお年をお迎えください。

 

今回はここまで。

 

それではまた!